胃カメラはもう「苦しい」検査ではありません。鼻から?寝て行う?

「胃カメラ=オエッとなって苦しい」というイメージをお持ちではありませんか? 胃がんは、早期に発見すれば完治できる可能性が非常に高い病気です。しかし、検査への恐怖心から受診を先延ばしにしてしまう方が多いのが現状です。
近年、内視鏡技術は大きく進歩しており、以前に比べて格段に楽に受けられるようになっています。今回は、安心して検査を受けていただくためのポイントや費用、前日の準備について解説します。
1. 「鼻から」か「眠って」か。選べる検査方法
当院では、患者さんのご希望に合わせて主に2つの方法を提案しています。
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経鼻内視鏡(鼻から)
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細いカメラを鼻から挿入します。舌の付け根(オエッとなる場所)に触れないため、吐き気が起きにくいのが特徴です。検査中に医師と会話ができるほど余裕がある方も多いです。
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鎮静剤使用(寝ている間に)
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点滴で鎮静剤(眠くなる薬)を使い、ウトウトしている間、あるいは完全に眠っている間に検査を終わらせます。「気づいたら終わっていた」という感覚に近いため、恐怖心が強い方に特におすすめです。
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2. 【重要】鎮静剤(眠って行う検査)をご希望の方へ
「寝ている間に終わる」検査は非常に楽ですが、お薬を使用するため安全上の厳格なルールがあります。これらを守れない場合、鎮静剤の使用をお断りすることがあります。
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当日の運転は厳禁: 車、バイク、自転車の運転はできません。事故につながる危険があるため、必ず公共交通機関やタクシー、ご家族の送迎でお越しください。
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検査後の休息: 検査終了後、薬の効果が切れるまで院内のリカバリールームで1時間ほどお休みいただきます。
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スケジュールの確保: 当日は、大事な決断を伴う仕事や激しい運動は避け、ゆったりと過ごせる日を選んでください。
3. 検査前日・当日の食事ルール
胃の中を空っぽにしないと、正確な観察ができません。
【検査前日】
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夕食: 21時頃までに済ませてください。
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内容: 出来るだけ脂っこいもの(揚げ物・ラーメンなど)や、繊維質の多いもの(海藻・きのこなど)は消化に時間がかかるため避け、うどんやおかゆ、豆腐など消化の良いものを選びましょう。
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水分: 水やお茶は飲んで構いません。遅くまでのアルコールは控えましょう。
【検査当日】
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朝食: **絶食(食べてはいけません)**です。
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水分: 水やお茶なら、検査30分前まで飲んでも大丈夫です。牛乳やジュース、コーヒーは胃の壁に色がついたり膜を張ったりするためNGです。
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薬: 普段飲んでいる薬がある場合は、事前の指示通り(特に血圧や血をサラサラにするお薬)服用してください。糖尿病の薬は、食事をしないため飲まないケースが一般的ですが、必ず医師に確認してください。
4. 気になる費用の目安(保険適用・3割負担の場合)
「いくらかかるの?」と不安な方も多いと思います。検査費用は、ポリープや怪しい組織の一部を採取する「生検(組織検査)」を行うかどうかで変わります。
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観察のみで終わった場合: 約5,500円前後
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組織採取(生検)を行った場合: 約9,000円前後
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(臓器の数や採取する場所により変動します)
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※上記に加え、初診料、診察料、血液検査代、お薬代などが別途かかります。
5. ピロリ菌検査も同時に可能です
胃がんの最大のリスク因子である「ピロリ菌」の有無も、内視鏡検査と同日 (結果は後日になります)に調べることができます。もし感染していても、薬を飲むだけで除菌が可能です。「胃の調子が悪い」と感じている方は、検査の際にぜひご相談ください。
まとめ
「これくらいの症状で受診していいのかな?」と迷う必要はありません。胃痛、胸焼け、もたれ感などは、胃からのSOSサインです。 以前辛い思いをした方も、最新の検査方法なら「これなら毎年受けられる」と感じていただけるはずです。まずは一度、お気軽にご相談ください。