糖尿病について
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く病気です。放置すると動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、腎不全、視力障害、神経障害などの合併症を引き起こす恐れがあります。初期は自覚症状が乏しいことも多く、定期的な検診や早期の治療開始が重要です。
糖尿病の種類
| 1型糖尿病 | 自己免疫反応などにより膵臓のインスリン分泌細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなるタイプ。 若年での発症が多い。 |
| 2型糖尿病 | 生活習慣や遺伝的要因により、インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)または分泌が不足するタイプ。 中高年に多いが、若い世代の発症も増えている。 |
| 妊娠糖尿病 | 妊娠中に発見または発症した糖代謝異常で、母体や胎児への影響を防ぐために管理が必要。 「糖尿病合併妊娠」は、妊娠前から糖尿病がある人が妊娠した状態をいう。 |
こんな症状がある場合は、
早めにご相談ください
糖尿病の初期段階では症状が目立たないこともありますが、進行すると次のような変化が現れることがあります。
- 喉がよく渇き、水分をたくさん飲むようになった
- トイレが近くなった/尿の量が増えた
- 急に体重が減ってきた(食欲はあるのに減少する場合も)
- 疲れやすい、だるい
- 傷やケガが治りにくい
- 視力のかすみやぼやけがある
また、健康診断で血糖値やHbA1cが高いと指摘された場合、症状がなくても放置せず受診をおすすめします。
診断のために行われる検査
血液や尿検査を行い、血糖コントロールの状態や合併症のリスクを総合的に評価します。
| 早朝空腹時血糖 | 10時間以上絶食した状態で採血し、血糖値を測定します。 正常値は110mg/dL未満で、126mg/dL以上は糖尿病型と判定します。 |
| 随時血糖 | 食事の時間に関係なく採血して血糖値を測定します。 200mg/dL以上の場合は糖尿病の可能性が高くなります。 |
| HbA1c | 過去1〜2か月間の平均的な血糖状態を反映する数値です。 6.5%以上で糖尿病型とされます。日内変動に影響されにくく、診断や治療効果の確認に有用です。 |
| 尿検査 | 尿糖の有無や、腎機能に関する異常(タンパク尿など)を確認します。 糖尿病性腎症の早期発見にも重要です。 |
糖尿病の治療について
食事療法
食事療法は糖尿病治療の基本となります。血糖値をコントロールし合併症を防ぐためには、バランスの取れた食事を心がけ適正なエネルギー量を維持することが大切です。炭水化物・たんぱく質・脂質の比率や食物繊維の摂取を意識します。
運動療法
有酸素運動(ウォーキング・水泳など)と筋力トレーニングを組み合わせ、インスリンの働きを改善します。
これまで運動習慣がなかった方や合併症がある方、他の疾患がある方は、医師と相談しながら計画を立てることが大切です。
薬物療法
食事・運動で十分な改善が得られない場合、内服薬やインスリン注射を使用します。薬の種類や量は血糖値や生活習慣に合わせて調整します。
薬は正しいタイミング・用量で使うことが大切です。自己判断で中断したり増減したりすると、血糖が急に上がったり下がったりして危険な場合があります。
また、薬物療法は食事療法なども並行して行うことが大切です。
福岡県柳川市で糖尿病の検査・治療をご希望の方へ
当院では、生活習慣の見直しから薬物療法まで、患者様一人ひとりの状態に合わせた糖尿病治療を行っています。
血糖値が高いと指摘された方、家族に糖尿病の方がいる方、健康診断で経過観察となった方などは、早めの受診がおすすめです。
糖尿病は、初期には自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると心筋梗塞や脳卒中、腎臓病などの合併症につながる恐れがあります。
早期の検査・治療を通して、健康な生活を長く続けられるようサポートいたします。お気軽にご相談ください。